マーケティングオートメーションで売上を伸ばす7つの方法

MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティングチームの日々の業務の「簡素化」「自動化」「効果測定」をサポートします。しかし、メリットがそれだけでは、単なる業務効率化ツールです。本当に優れたマーケティングオートメーションは、マーケティングの業務を楽にするだけでなく、より多くの売上を上げるために効果を発揮するものでなければなりません。

それでは、どのようにマーケティングオートメーションのさまざまな要素を活用して、売上を伸ばすことができるのでしょうか?今回はUSのMarketo Blog(英語)の中から、MAを活用することで実現できる、売上を伸ばすための7つのヒントを解説した記事をご紹介します。

目次

  1. リードスコアリングにより有望見込み客を判別する
  2. webサイトをパーソナライズする
  3. 営業チームがフォローアップに必要な情報を提供する
  4. トリガーメールを使ってリードとのコミュニケーションを続ける
  5. セグメント毎のリードナーチャリングを行う
  6. あらゆるチャネルでリードの動きをトラッキングする
  7. 成果とROIを可視化する

1. リードスコアリングにより有望見込み客を判別する

フィールドセールス(外勤営業)がマーケティングから渡された購買意欲の低いリード(見込み客)に「なんでこんな案件をパスするのだろう」「そもそもこの業界は狙っていない...」などと不満をこぼしていることを、誰しも一度は聞いたことがあるのではないでしょうか。そもそも、リードがインサイドセールス(内勤営業)やフィールドセールスがアプローチするに値するかどうかを機械的に判別するのは難しいものです。しかし、優れたマーケティングオートメーションは、検討度合いや自社との相性をスコアリングによって可視化します。

スコアリングとは、リード(見込顧客)の属性情報や行動情報を基に自社との相性を評価し、アプローチの優先順位を決める評価指標の一つです。
主に行動スコアと属性スコアの両軸でアプローチ優先順位をつけていきます。行動スコアとは、リードの行動情報(Web上の行動やメールの開封など)をもとに点数化(加点/減点)し、購買意欲を評価するものです。一方、属性スコアは、リードの所属企業や役職を基につけられます。業種業界、企業規模などと自社の理想の顧客(ペルソナ)を照らし合わせ、自社との相性を評価します。マーケティングオートメーションでは、リードのスコアが設定した閾値に達すると、インサイドセールスまたはフィールドセールスが「営業できる」状態にあると判断され、インサイドセールスチームまたはフィールドセールスチームに送客されます。

以下に行動に基づくリードスコアリングの例を紹介します。

リードスコアリングによって、フィールドセールスチームが購買意欲の低いリードで時間を無駄にすることがなくなります。また、営業サイクル全体の短縮にもつながります。

▼リードスコアリングについての詳細はこちら

マーケティング入門スコアリングとは?リードスコアリングの重要性を解説

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2. webサイトをパーソナライズする

リードがwebサイトを訪問した段階で、あなたの企業への印象がある程度固まってしまいます。そこで、webサイトをパーソナライズし、訪問した人それぞれに最適化することでより良い印象を与えることができ、その結果としてコンバージョン率が高まります。優れたマーケティングオートメーションでは、リードデータ(どんな人で、どんな職業で、どんなオンラインでの行動をとっているのか、といった情報)を使用して、一人ひとりのリードに合わせてランディングページなどのwebコンテンツをパーソナライズすることができます。匿名の訪問者であっても体験をパーソナライズすることが可能です。

たとえば、あなたがインターネット小売業者の場合、冬物のコートをオンラインで見て回っている訪問者があなたのwebサイトに訪れると、コートを紹介するバナーが最初に表示される、といったようなものです。このように、パーソナライズしたwebコンテンツは、リードとの関係をより効果的に構築し、あなたの会社での顧客体験をより良いものにすることに役立ちます。その結果として売上が増加することは想像に難くないでしょう。

3. 営業チームがフォローアップに必要な情報を提供する

インサイドセールスまたはフィールドセールスが「営業したい」または「営業できる」状態にあるリードに対し適切なフォローアップを行うためには、彼らがコミュニケーションの際に必要とする情報を共有することが重要です。優れたマーケティングオートメーションでは、リードがあなたの企業のwebサイトのどのコンテンツを見ているのかといった情報をトラッキングし、同期されたCRMシステムなどのツールでインサイドセールスまたはフィールドセールスに情報を共有し、リード一人ひとりに合わせた効果的なコミュニケーションをすることが可能になります。その際、全ての情報をただ並べるだけではなく、営業担当にとって意味のあるものだけを表示させることがポイントとなります。

以下は営業チームがアプローチする前の事前準備に役立つダッシュボードの例です。「注目の出来事」と呼ばれ、Salesforceで設定されるMarketo Sales Insightに組み込まれています。

4. トリガーメールを使ってリードとのコミュニケーションを続ける

リードがあなたの会社に興味を持っている場合には、関係を維持し、何かあった際には真っ先に思い出してもらえる存在であり続けることが重要です。優れたマーケティングオートメーションに搭載されたトリガーメールの機能は、リードの行動に反応し、自動的に送信されます。トリガーメールを活用することは、以前であればインサイドセールスチームまたはフィールドセールスチームが手動で対応していた時間を節約し、さらには、成約の増加にも役立ちます。たとえば、リードが価格ページを見ている場合には、リードの関心に沿ったキャンペーンをご案内するメールを自動で送信することができます。

トリガーメールは、ほかの種類のメールと比べて(一括配信メールと比べても)、3倍の効果を発揮します。

5. セグメント毎のリードナーチャリングを行う

理想は、すべてのマーケティングリードがすぐにインサイドセールスまたはフィールドセールスが「営業したい」「営業できる」状態のリードになることです。しかし現実は、ほとんどのリードがそのような状態にはなく、インサイドセールスまたはフィールドセールスに引き渡す前に一定のナーチャリング(検討度合いを高めてもらうこと)が必要です。

リードナーチャリングでは、リード一人ひとりに合った個別のコンテンツを、リードの趣味嗜好に合ったチャネルで、リードが欲しいタイミングで提供し、インサイドセールスまたはフィールドセールスが「営業したい」「営業できる」状態になるよう働きかけます。優れたマーケティングオートメーションは、業界・役職・企業規模別といった属性情報でセグメントを作り、リードナーチャリングを実行できるのはもちろん、オンライン上の行動履歴やメールの開封履歴といった行動情報を基にしたセグメンテーションによってリードナーチャリングを行うこともできます。

6. あらゆるチャネルでリードの動きをトラッキングする

リードはあらゆるチャネルを利用しています。ソーシャルメディアであなたの会社を閲覧したり、インターネットで検索したり、イベントに出かけたりします。重要なことは、すべてのチャネルでのリードとのやり取りをすべてトラッキングすることです。これは、リードが触れてきたコンテンツの種類やこれまでの動きを基に、あなたのメッセージを適切にリードに届けることに役立ちます。関連性のあるコンテンツはリードとの関係性を中長期的に維持する一番の方法であり、その積み重ねが結果的に売上の増加につながります。

プレディクティブコンテンツ、webパーソナライゼーション、デジタル広告、トリガーメールなどを実現する優れたマーケティングオートメーションを使うことで、最適なコンテンツを最適なタイミングで提供し、リードと中長期的な関係性を構築しましょう。また同時に、リードとどの程度関係性が構築できているか(またはどの程度関係性が構築できていないか)のデータをメッセージやコンテンツを介して取得しましょう。

7. 成果とROIを可視化する

同じことを何度も繰り返すだけで成果を出していくのは、現在の世界ではうまくいかないでしょう。マーケターはすべての施策のROIを可視化し、それぞれの施策の成果が上がっているかを確認する必要があります。理想的なROIは5倍です。つまり、施策を実行するためにかけた費用の5倍の商談と売上を上げるということです。

優れたマーケティングオートメーションでは、施策を商談創出や売上創出に紐づけて成果を可視化するため、どの施策が最高の収益を生み出すか分かるようになります。また、データを見ながら施策を継続的に実行することで、効果のない施策は中止し、その分効果が出る施策に注力することができます。

マーケティングオートメーションは、マーケティングチームにとってメリットがあるだけでなく、インサイドセールスまたはフィールドセールスがより多くの商談や売上をより効果的かつ効率的に創出することができるようサポートすることができます。

※この記事はLizzy Funkによって2017年6月に投稿された記事を翻訳し、加筆したものです。