コンテンツマーケティングの事例 ~日本と海外の事例をそれぞれまとめました!~

「コンテンツマーケティング」の事例をBtoBとBtoC、国内と海外に分けて事例をご紹介します。

近年は、コンテンツマーケティングをWebマーケティングの手法として取り入れる企業が近年目立ちますが、SEOとの違いや具体的な実践方法について理解している方はまだ少ないのではないでしょうか。

 

実際にコンテンツマーケティングに取り組まれる際のご参考になれば幸いです。

コンテンツマーケティングとは?

コンテンツマーケティングとは、見込み客が求めている情報や見込み客の課題を解決する情報をオウンドメディアなどを通して定期的に発信することで彼らをファンとして定着させ、最終的に自社サービスや商品の購買につなげることを目指すマーケティングの考え方を指します。

 

コンテンツマーケティングは従来の一方的な売り込み型を中心とする広告手法とは異なり、また、SEOとも異なります。

自分たちが発信したい情報を発信するのではなく、あくまでもユーザーが何を求めているのかを見極めてそれにあったコンテンツを作成し、適切なタイミングで提供することが主眼となります。

 

現在ではBtoC、BtoBを問わず、また、企業の規模を問わずさまざまな業界でコンテンツマーケティングの手法が取り入れられています。

ここでは日本と海外の具体例を見てみましょう。

参考記事:

コンテンツマーケティングとは?BtoCとBtoBでの全体像を把握しよう!

コンテンツマーケティングの海外の事例

BtoC

Yale Appliance社

Yale Appliance社

https://www.yaleappliance.com/

 

米国のボストンを拠点に家電・照明などの販売や設置・アフターサービスを提供するYale Appliance社は2011年からコンテンツマーケテイングに本格的に取り組み、成功事例として日本の関連書籍でも紹介されています。

 

「Buying Guide」で「冷蔵庫」「食洗器」など細かなカテゴリ別に家電や照明器具の選び方を購買プロセスに沿ってユーザー目線で丁寧に解説。

eBookの「Buying Guide」のダウンロードに誘導してユーザーの属性やニーズを詳細に把握した上でのきめ細やかなリードナーチャリングを実現しています。

 

同時に、多くの有名ブランドを取り扱う中立性と専門性を活かしたブログ記事を高頻度で発信し、ターゲットユーザーとの接触機会を増やすことに成功しています。

参考記事:

コンテンツマーケティングの参考本【6選】海外の第一人者の翻訳本から、国内ノウハウを集めた本まで!

Marriott International社

Marriott International社

https://www.marriott.com/default.mi

 

イギリスのロンドンに欧州本社を置く大手ホテルグループのMarriott International社は専門チームの設置によりコンテンツ製作を内製化してコンテンツマーケティングに注力しています。

 

2017年までにソーシャルメディア指令センター「M Live(エムライブ)」を複数設置し、全てのタイムゾーンをカバーすることでグループ内外のあらゆるソースから最新のトレンドをつかみ、話題になっているコンテンツを参照してわずか数時間のうちに自社のキャンペーンに変更を加えるなど、自社のコンテンツ施策に落とし込むことを可能にしています。

 

将来的には各種SNSも含めて発信された自社コンテンツとホテルの予約数などの実績をリアルタイムで管理するダッシュボードを設置し、さらにコンテンツマーケティングを強化する見通しです。

参考記事:

「CONTENT MARKETING DAY 2019」レポート 第一回「基調講演|コンテンツマーケティング2020」

BtoB

SAP

SAP

https://www.digitalistmag.com/

 

BtoBソフトウェア企業であるSAPは2012年にビジネスブログを始動。データ分析により、それまで中小企業を中心に多くの見込み顧客を取り逃していた事実を受け止め、経営者やビジネスパーソンの興味に沿ったお役立ち記事を中心に配信を続けました。

 

コンテンツは内製せず外部の専門家を起用して1日あたり18記事を更新、自社製品の宣伝はせずユーザーの悩みを解決する内容に特化するなどの施策を実践し、月間40万PVを達成。開始から2ヶ月間で立ち上げ時の6倍にあたる売り上げを回収しました。

Hubspot

Hubspot

https://www.hubspot.com/

 

インバウンドマーケティングとその実践のためのインラインサービスを提供するHubspotは、ブログ運営やホワイトペーパーの設置、またウェビナーなどを展開することで自らインバウンドマーケティングを成功させました。

自社サイトは創業から2年で月間訪問者数30万超にまで成長し、Webサイト経由がリードの75%を占めるという成果を出しています。

 

インバウンドマーケティングとコンテンツマーケティングは同義をなす部分もあることから、自社の成功事例を発信することがコンテンツマーケティングの有用性を証明することとなり、結果的にブランディングと宣伝につながって成果が出た好例です。

参考記事:

インバウンドマーケティングとは?必要なコンテンツ・事例・指標などまとめました!

コンテンツマーケティングの日本の事例

BtoC

【不動産】株式会社マンションマーケット

マンションサプリ

株式会社マンションマーケット

https://mansion-market.com/sapuri/

 

マンション専門のネット不動産「マンションマーケット」が展開するオウンドメディア「マンションサプリ」。

マンションに合うインテリア、資産価値やマーケット動向、売却価格を上げるためのポイントなど、マンション売買に直結する知識かつニッチな話題をランダムに挙げて息の長いファンの獲得を実現しています。

 

IT技術と不動産売買の知見を活かして、通常であれば不動産屋に問い合わせなければ得られないような情報をオープンにし、必要な人に提供できるようにしている点が評価されている例です。

株式会社キャリアデザインセンター

転職サイトtype

株式会社キャリアデザインセンター

https://type.jp/et/feature/

 

転職エージェント「type」を運営するキャリアデザインセンターのオウンドメディア。

「エンジニアtype」ではエンジニア採用コラムに注力し、IT企業のエンジニアチームの成功事例、技術者以外の著名人のインタビューなど読みものが充実しています。

 

社外メンターがエンジニアの悩みに答える「エンジニアWebメンタリング」サービス、また「転職ノウハウ」コーナーでは人気企業の採用担当者のインタビュー動画など転職希望者が知りたい情報を掲載し、同社の人材ビジネスのノウハウを活かしたコンテンツマーケティングを展開しています。

ユアマイスター株式会社

YOUR MYSTAR STYLE(ユアマイスタースタイル)

ユアマイスター株式会社

https://yourmystar.jp/relivers/

 

2016年の立ち上げから半年で月間100万PVに達した「YOUR MYSTAR STYLE(旧サイト名はRELIVERS:リライバーズ)」は、同社の本サイトであり、皮革製品の修理やハウスクリーニングなど日用品のお手入れをを専門とする職人とユーザーとをつなぐプラットフォームである「ユアマイスター」に送客することを目的に立ち上げられました。

 

特定のキーワードを狙うのではなく、「自分でやる」「プロを知る」「プロに頼む」という流れを作ることで“コンテンツの橋渡し”を実現し、集客とコンバージョンにつなげることに成功しています。

BtoB

サイボウズ株式会社

サイボウズ式

サイボウズ株式会社

https://cybozushiki.cybozu.co.jp/

 

業務効率化クラウドサービス「kintone(キントーン)」を展開するサイボウズのオウンドメディア。

2012年のスタート当初から独自の企画で注目され、テレビなどのメディアに取り上げられるなど発信力の強さを見せていました。

 

現在ではPV数や記事更新数などの数値目標を敢えて設定せず、読者のためにならないコンテンツは作らないという姿勢のもと、さらに多くの人の共感を得られるようなテーマにフォーカスしたコンテンツ作りを実践。

サイボウズのことを知らない潜在顧客層に向けたコンテンツマーケティングに注力しています。

東洋インキ株式会社

TOYOINK1050+

東洋インキ株式会社

https://www.toyoink1050plus.com/

 

デザイナー、プランナー、企画職を中心にクリエイターを対象とした東洋インキのオウンドメディア。

「1050」とは同社の色見本帳の数を指します。

 

「仕事でつかえる色彩学」や日常的な形容詞から連想される色を検索できる「イメージカラー検索」など同社の色やデザインに関する専門的なノウハウを活かしたコンテンツ群の中に、自社商品を活用したビジネス事例コーナーがさりげなく盛り込まれています。

 

解説はわかりやすく、専門領域外の人でも楽しめる内容を備えています。

コンテンツマーケティングによる新規ファン獲得の好例ではないでしょうか。

弁護士法人 咲くやこの花法律事務所

企業法務のお役立ち情報 咲くや企業法務.NET

弁護士法人 咲くやこの花法律事務所

https://kigyobengo.com/media/useful/1545.html

 

企業法務や顧問弁護士サービスに強みを持つ法律事務所のオウンドメディア。おもに経営者、管理職、法務担当者を対象としています。

 

BtoB向けサイトの定番手法と言われるボトム固定CTAボタン、サイドカラムCTAボタンに加え、さらに右サイドに縦型の固定誘導ボタンを配置されているのが特長です。

 

専門的で細かな情報を要する士業にはコンテンツマーケティングが有効だとされていますが、このサイトでは特にPCで閲覧されることを前提としたBtoB向けの工夫が見られます。

 

※CTAとは:「Call To Action」の略。ホームページや広告の運用において、ユーザーに行動を起こしてもらえるよう促して誘導することを指す。

参考記事:

ランディングページ(LP)とは?目的・作り方・運用のコツ・広告種類など知っておきたい知識をまとめました!

まとめ

昨今のSNSの普及、また、コロナウイルス流行の影響で地域密着型のビジネスが注目されるなど、売り込み型でなくユーザー目線に立ったマーケティング手法であるコンテンツマーケティングが注目されています。

 

制作と運用にコストがかかる、成果をつかみづらいなどのデメリットもありますが、コンテンツマーケティングには制作したコンテンツ自体やノウハウの蓄積が財産になるというメリットもあります。

 

ご紹介した国内外の事例を参考に、自社の強みを際立たせる手法としてぜひ実践してみてはいかがでしょうか。