経理担当者の中には請求書を作成する際に、Excel(エクセル)のテンプレートをダウンロードして利用しているという方も多いのではないでしょうか?
たしかに、Excelは金額や数値の集計を行うのにはとても便利なソフト。しかし、扱う品目が増えたり、異なる税率での計算が必要になったりと、作業が複雑になってくると不便に感じる場面も増えてきます。
さらに、項目を変更する際は手動で計算式や関数を入力する必要があり、一定の知識が必要になってきます。
そこでおすすめなのが、誰もが簡単に利用できるクラウド型の請求書作成ツールです。一定の条件内であれば無料で利用でき、請求業務の時間を大幅にカットすることができますし、売上データや顧客の管理も簡単に行えます。
今回は、無料で利用できるおすすめの請求書作成ツールをいくつかピックアップして、ご紹介します。
クラウド型の請求書作成ツールの比較
まずは各ツールの無料プランの条件や特徴を比較表で見てみましょう。
サービス名 | 無料プランの機能制限 | 特徴 | 有料プラン |
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INVOY | なし | ・シンプル設計 ・見積書・納品書・領収書対応 ・選べるテンプレ ・ロゴ・印鑑設定 ・メール送信 ・郵送代行サービス(オプション) ・ステータス管理 ・サポート(電話・メール) |
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請求業務クラウドサポート | 取引先登録5社まで | ・シンプル設計 ・見積書・納品書・領収書対応 ・選べるテンプレ ・ロゴ・印鑑設定 ・メール送信 ・郵送代行サービス(有料プラン) ・売上レポート(有料プラン) ・サポート(電話・メール) |
月額907円から 最大60日無料 |
みつもらー | 見積書の保存10通まで | ・シンプル設計 ・見積書対応 ・ロゴ・印鑑設定(印鑑は有料プラン) ・メール送信(有料プラン) ・売上レポート(一部、有料プラン) ・iPhone対応 ・ステータス管理 ・サポート(メール) |
年間5,000円から |
Misoca | 請求書、月間5通まで | ・シンプル設計 ・見積書・納品書・領収書対応 ・選べるテンプレ ・ロゴ・印鑑設定 ・メール送信 ・郵送代行サービス(有料プラン) ・ステータス管理 ・会計サービス連携 ・オリジナル決済サービス(有料プラン) ・スマートフォン・タブレット(iPad)対応 ・サポート(電話・メールは有料プラン) |
年額8,000円から 初年度無償キャンペーン中(2020年5月現在) |
RaQool | 取引先登録5社まで | シンプル設計 見積書対応 ・選べるテンプレ ・印鑑設定 ・メール送信 ・郵送代行サービス(オプション) ・ステータス管理 ・スマートフォン・タブレット対応 ・サポート(電話・メール) |
月額980円から |
※金額は税別
おすすめ請求書作成ツールの紹介
すべての機能が完全無料で利用できる「INVOY」
「INVOY」はクラウド型請求書作成ツールの導入を検討している企業におすすめの完全無料ツールです。
項目ごとに順番に入力すれば請求書が完成するシンプル設計で、まとまった情報を各項目に自動で変換してくれる機能もあり、請求書づくりに慣れていない方でも迷うことはありません。もちろん作成したデータはどこにいてもPC上で閲覧、管理でき、複数人でリアルタイムに共有できます。
見積書や発注書、納品書、領収書から請求書に変換するのも簡単で、デザインは4種類から選択可能。別途料金ですが、郵送代行サービス(147円(税別)/1通)にも対応しています。
ただし発行額10億円、もしくは発行枚数5,000枚を超えた場合は有料となるのでご注意ください。
セキュリティ面では、情報セキュリティマネージメントシステムISMS(ISO 27001)を遵守した体制で、安心・安全に利用できます。
中小企業にとっては申し分のないサービスで、クラウド型請求書作成ツールの初導入にはおすすめです。
ネットショッピングにおすすめ!「請求業務クラウドサポート(ヤマトビジネスメンバーズ)」
ネットショッピングなど、商品を配送することが多い企業様におすすめなのが、ヤマト運輸の提供する「請求業務クラウドサポートサービス」です。有料サービスを利用するにはヤマト運輸との掛売契約とヤマトビジネスメンバーズの登録が必要となりますが、取引先の登録が5件までであれば、誰でも無料で利用することができます。
いずれヤマト運輸との契約を考えているのであれば、ぜひ試していただきたいサービスです。見積書、納品書、請求書、領収書を作成でき、有料プランでは納品書からは宅急便の送り状を簡単に発行できます。
さらに書類をPDF化し、ボタン一つで取引先へ直接メール送信やFAX送信(1枚19円(税抜))もできます。
2020年5月現在、最大60日無料のキャンペーンを行なっているので、ぜひこの機会に試してみたいですね。
直感的なシステムで素早く作成できる「みつもらー」
「みつもらー」は見積書の作成に特化したツールで、請求書の作成も簡単に行えます。最小限の機能で設計されているため、操作はどのツールよりもシンプルで、直感的に素早く行うことができます。入力したい項目を選択し、金額を入力。ドラック&ドロップで順序の入れ替えも簡単です。
さらにiPhone専用のアプリ「みつもらー for iPhone」でも作成でき、クラウド上で管理できるため、iPhoneユーザーにとっては使い勝手が良いでしょう。Androidアプリはないため、Androidユーザーにとっては残念な印象です。
フリープランは無制限に見積書が作成でき、10件まで保存可能。不要な見積書を削除することで新たな見積書を作成できます。同じような案件が多ければ、無料でも十分に活用できるツールです。
見積書や請求書の発行から管理、レポート作成に関わるすべての機能を利用できる有料プランは、年間5,000円ととてもリーズナブルです。
有料プランでは売上・受注状況やクライアントごとの情報をグラフ化でき、データとして翌年の経営に活用できます。
さらに請求書のメール送信では、パスワード付きURLが発行されるので、セキュリティ面での不安はありません。請求書作りをできるだけスムーズに時短で行いたい企業にはおすすめのサービスです。
請求における機能&サービスが豊富な「Misoca」
「Misoca」の最大の特徴は、会計ソフト「弥生会計」、確定申告ソフト「やよいの青色申告」と簡単に連携できることです。機能がとても豊富で、複雑な経理処理を短縮できます。
月間の請求書作成が5通までなら無料で利用でき、見積書、納品書、取引先の登録は無制限です。自動メール送信が設定できるので請求漏れを防ぐことができます。
ビジネス向けからカジュアルものまでテンプレートのデザインはなんと14種類!好きなロゴや印影も自由に設定できます。
有料プランは、2ユーザーまで利用可能なプラン15(月間15通まで/16通から1,000通までは1通70円/年額 8,000円(税抜))、5ユーザーまで利用可能なプラン100(月間100通まで/101通から1,000通は1通70円/年額 3万円(税抜))、さらに最上位プランとして30ユーザーまで利用可能なプラン1,000(月間1,000通まで/年額 10万円(税抜))が用意されています。
有料プランには、毎月の集金業務を代わりに行ってくれる「Misocaの口座振替サービス」や売掛金の回収ができなくなった際に損害を補填してくれる「回収保証サービス」といった、請求におけるさまざまな問題をサポートしてくれる決済サービスもあります(審査あり)。
セキュリティ面は、SSL(Secure Socket Layer)での通信はもちろん、情報セキュリティ管理の国際水準の第三者適合性評価制度(ISO27001/ISMS)の認証を受けたデータセンターにホスティングされており、高い安全性を誇っていることも特徴の一つです。
無料体験プラン終了後に自動的に契約が移行されるので、更新時には注意が必要です。
2020年5月現在、すべての有料プランが1年間無料になる「初年度無償キャンペーン」を展開しているので、有料プランとして契約してみるのも良いでしょう。もちろん途中での解約も可能です。
スマホ&タブレットに対応している「RaQool」
PCはもちろん、すべてのスマートフォン、タブレットに対応している「RaQool(ラクール)」は、どこでも手軽に請求書・見積書の作成、管理ができるツールです。
請求書・見積書の作成に特化したツールで、使い方は非常にシンプルです。作成した請求書(見積書)は印刷から、送付状の作成、封入、投函までをワンクリックで行えます(郵送代行サービスはオプション(210円/1通))。
さらにRaQoolでは、顧客はもちろん、見込み客も管理できるので、顧客情報の管理という点でも優れています。名刺交換しただけの相手の情報も管理することができます。また請求書をさまざまな条件で一覧表示することもでき、検索も簡単です。Excelへのインポートやエクスポートもワンクリックで抽出することができます。電話でのサポートも対応しているので、初めてという方にも安心です。
無料で利用できるのは顧客登録件数5件までで、有料プランとしては5,000件まで登録できるスタンダードプラン(月額980円)と専用の業務システムへとカスタマイズしてくれるオリジナルプラン(料金は要相談)があります。
まとめ
上でご紹介したどのツールも、特別な知識がなくても簡単に利用でき、請求業務の短縮を実現できる優れものです。
セキュリティ面も、すべての通信がSSL(Secure Socket Layer)で暗号化されるため、不正アクセスの心配はありません。
無料登録で気軽に試すことができるので、実際に利用してみて、貴社に合う最適なツールを見つけてみてください。