2020年 日本の大富豪ランキングTOP10が残した名言集

毎年、ご好評をいただいている「日本の大富豪ランキングTOP10が残した名言集」の2020版をお届けします。

エムタメ!の「日本の大富豪ランキングTOP10が残した名言集」とは、アメリカの経済誌「フォーブス(Forbes)」が発表した世界長者番付のランキングから、当年の日本人の大富豪ランキングTOP10とそれぞれの大富豪が発した名言をご紹介する企画です。

2020年の世界長者番付ランキングでは、新型コロナウイルスのパンデミック影響を受け、市場が混乱したことから、富豪たちの資産も軒並み減少しています。

日本のTOP10の顔ぶれは、2019年と大きく変わらず、2年ぶりに7位にランクインした株式会社ニトリの創業者、似鳥 昭雄氏のみがニューフェースでした。

よろしければ、バックナンバーもご覧ください。

【第10位】[±0]世界長者番付616位:三木 正浩/32億ドル(ABCマート)

2019年版でも10位にランクインしていたABCマートの創業者である三木氏が、今年も10位をキープ。資産額は、36億ドルから32億ドルへ‐4億ドルとなっています。

2007年に同社の会長職を退き、現在は最高顧問を務める三木氏。
2019年10月に京都競馬場で開催されたレースでは、2ヵ月ほど前に初めて落札した競走馬3頭のうちの1頭「ジャスティンリーチ」がJRA初出走初勝利を収めました。

そんな三木氏の名言がこちら。

「俺は負ける喧嘩はしない」(三木 正浩)

卸売業から小売業への転換期に発した名言だといわれていますが、今回もまさに勝負を制しました。

【第9位】[-3]世界長者番付565位:森 章/34億ドル(森トラスト)

森トラスト・ホールディングス社長の森氏は、2017年5位、2018年4位、2019年6位とトップ10入りをキープし続け、2020年は9位とギリギリでランクイン。総資産は、2019年の47億ドルから34億ドルへと13億ドルの減少でした。

同社は、森氏の兄の森 稔氏が長らく社長、同会長などを歴任していた森ビル株式会社とは、特に虎ノ門エリアの再開発においてライバル関係にあり、2019年8月には森ビルが、完成すれば大阪市の「あべのハルカス」を超えて日本一の高さになるビルを含む「虎ノ門・麻布台プロジェクト」に着工しました。

森氏の名言は、父である森泰 吉郎氏から受け継いだものを時代に合わせて変化させることがテーマになっているものが目立ちます。

「新しいシステムを運用する際は、往々にして経験が邪魔をする場合があります」(森 章)

「日本は経験者を重視してしまう傾向がありますが、機械の進歩は飛躍的に進んでいます。経験や、今あるものから積み上げて発想しても、あっという間に陳腐化したり、時代に不適合となる可能性が高い」(森 章)

「新しいシステムの性能がもたらされる由来を知るより、その性能を何に、どのように活用すると有効な成果を得られるのか発想する力の方が重要」(森 章)

【第8位】[+1]世界長者番付514位:永守 重信/36億ドル(日本電産)

日本電産の創業者であり、会長兼CEOの永守 重信が、2019年の9位から1ランクアップの8位にランクインしました。総資産は41億ドルから36億ドルへ5億ドル減少。やはり、新型コロナウイルスの影響を受けたようです。

ただし、日本電産の業績自体はそこまで悪くありません。2020年3月期通期の決算発表によると、売上高は過去最高を更新。営業利益は、先行投資や事業譲渡などに関わる損失が影響して45.4%減となっています。

来期の業績見通しは、売上高が前期比2.3%減、営業利益が同66.4%増を計画。オンラインで開催された決算説明会では、新型コロナウイルスの感染拡大による不況を経営体質改革の機会として売上が半減しても営業黒字となるよう収益構造を改善していく方針が示されました。

困難な状況のなか、経営の第一線を走り続ける永守 重信の名言を再掲します。

「休みたいなら、やめればいい」(永守 重信)

「下の人間が動くかどうかは、上の人間次第」(永守 重信)

「改革はすべてトップダウンで行うのが日本電産のやり方。「残業ゼロ」もトップの私が率先することで、会社全体に範を示していく」(永守 重信)

【第7位】[New]世界長者番付494位:似鳥 昭雄/37億ドル(ニトリ)

画像引用先:めがね新聞

2018年版でも8位にランクインしていた株式会社ニトリの創業者で株式会社ニトリホールディングス代表取締役会長を務める似鳥 昭雄氏が、2年ぶりに7位にランクインしました。

新型コロナウイルスの影響を受けつつも、在宅勤務の増加で机やいすの需要像が追い風になりました。奇しくも、首相から緊急事態宣言を発令する意向が表明された日と決算発表が重なったその日、似鳥氏は増収増益計画を発表しました。同社は、1987年から連続増収増益記録を更新しており、来期も達成すれば34期連続の増収増益となります。

そんな似鳥氏の名言からは、「100倍発想」「店舗年齢論」「30年計画」など、独創的な発想で型破りの経営をされている柔軟性に富んだ同氏の思想が伝わってきます。

「密度を高めて仕事すれば、遊びの時間も自ずと生まれる。」

挑戦しようと思うから、必死になる。自分の力でどうにもならないから、誰かの力を借りようとする。

「短所あるを喜び、長所なきを悲しめ」(似鳥 昭雄)

「とにかく人のやらないことをやれというのがうちの方針です」(似鳥 昭雄)

【第6位】[+1]世界長者番付451位:重田 康光/40億ドル(光通信)

2018年9位、2019年7位とトップ10入りしていた株式会社光通信の会長兼CEOである重田 康光が、2020年は6位にランクイン。総資産は47億ドルから‐7億ドルの40億ドルです。

光通信の2020年3月期通期決算発表は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響で5月20日に延期するとしていますが、2月に発表された第3四半期(19年4~12月)の決算発表では、光回線やウオーターサーバーなど継続課金商品の業績が好調で、純利益は前年同期比30%増。9期連続増配を発表しました。

そんな光通信の会長兼CEO重田 康光の名言を改めてご紹介します。

「重田死すとも光は死せず」(重田 康光)

史上最年少で株式を店頭公開後、株価の急落や、100億円もの私財を投じての会社再興などを経験した重田氏からの会社愛のにじみ出た名言といえるでしょう。

【第5位】[±0]世界長者番付383位:三木谷 浩史/45億ドル(楽天)

画像引用先:http://news.livedoor.com/

2017年4位、2018年6位、2019年5位とトップ10入りを続けてきた楽天株式会社の創業者で会長兼社長の三木谷氏が2020年もランクイン。総資産は45億ドルと、前年から‐3億ドルでした。

2019年10月からグループ企業である楽天モバイル株式会社で携帯キャリア事業を開始し、モニターとして「無料サポータープログラム」の募集をスタートしました。新型コロナウイルス感染拡大のさなか、2020年4月8日に正式にサービスイン。4月24日からは、サポート窓口のオペレーターを在宅勤務体制へ移行しました。

また、購入額3,980円(税込)(以上で送料無料とする新サービスを打ち立てたところ、出店企業から4,000筆以上の反対署名が集まり、プラットフォーマーが一方的に出店企業に不利な要求をのませようとする優越的地位の濫用の疑いで公正取引委員会の立ち入り検査を受けました。

新型コロナウイルス感染拡大関連では、PCR検査キットの法人向け販売代理を開始し、物議を醸しましたが、一転して一時的に販売代理を見合わせると発表。PCR検査キットの開発元で楽天が出資先であるジェネシスヘルスケア株式会社では、代表取締役が辞任したり、三木谷氏も同社の社外取締役を辞任するなど、混乱が続いています。

楽天株式会社は設立から20年以上が経ち、資本金は2,059億円以上、2万名以上の従業員(※連結ベース)を抱える大企業でありながら、いまだにベンチャー企業であると見る有識者もいます。

そんなスピード感の衰えない三木谷氏の名言は、一貫して未来志向です。

「明日、何が起きるかなど、誰にもわからない。それは事実だ。
けれど、その不確定の闇の向こう側に、未来の姿を見る努力なくしては、未来を開くことなどできはしない」(三木谷 浩史)

「この世に不可能なことなどない。
不可能はいつか必ず可能になる。
そう信じることのできる人間がどれだけ出現するかで、人類の未来は変わるのだ」(三木谷 浩史)

「明日のことは誰にも予測できない。
変化を楽しめ。
ひとを信じろ。
未来は、そんな楽天者の上に輝く」(三木谷 浩史)

「意味のない自己顕示欲や、思い上がりは捨てた方がいい。 結局のところ、最終的に成功するのは、謙虚に学べる人なのだ」(三木谷 浩史)

【第4位】[±0]世界長者番付315位:高原 豪久/52億ドル(ユニ・チャーム)

画像引用先:http://www.unicharm.co.jp/

2019年に初登場で4位にランクインしたユニ・チャーム株式会社の創業者である高原 慶一朗の長男で、2001年から代表取締役社長を務める高原 豪久氏が、2020年も4位をキープ。総資産は49億ドルから52億ドルと+3億ドル。新型コロナウイルス感染拡大の影響がなければもっと増加したでしょう。

新型コロナウイルス関連では、同社が国内マスク最大手であり、日本衛生材料工業連合会会長でもある高原氏は、首相とテレビ会議でマスクなど医療物資の増産について、秋以降に業界全体でマスク供給を月1億枚以上上積みすることを話すなど、存在感を増しています。

また、4月28日には、従業員同士のオンライン飲み会に月1回、1人につき3,000円の補助金を出す施策を発表。家族の参加も認めるといいます。期間は6月末までですが、状況に応じて延長する可能性もあるそう。
同日、ユニ・チャームとグループ会社の正社員を対象とした譲渡制限付株式報酬制度の導入についても発表し、従業員の福利厚生サービス充実化が図れられていることが伺えます。

社長就任から16年で売上高を4倍に、時価総額を7倍にした高原氏の名言を再掲します。

「消費者の欲求が、階段を上がっていくのを待っていてはいけない。顧客より先に先に提案しないと絶対に階段を上がってくれない」(高原 豪久)

「『想定外のことが起こる』ということを想定して、経営していく時代になった」(高原 豪久)

「私は、人は勝手に育つものと考えています。会社にできることは、成長を促す良い習慣を仕組みにすることくらいです」(高原 豪久)

【第3位】[-1]世界長者番付56位:孫 正義/166億ドル(ソフトバンク)

2017年1位、2018年1位、2019年2位と、トップ3を守ってきたソフトバンクの創業者で会長兼社長の孫氏が2020年は3位にランクイン。総資産は、216億ドルから166億ドルへと50億ドルの減少です。

2019年 日本の大富豪ランキングTOP10が残した名言集 でもお伝えしたように、通信会社から投資を主事業とする戦略的持ち株会社への移行を表明したソフトバンクは、新型コロナウイルス感染拡大による市場混乱の影響をもろに受けました。

投資先の価値が減少し、グループの投資会社であるソフトバンク・ビジョン・ファンドが、約1兆8,000億円の投資損失となるほか、ファンド以外の投資先でも8,000億円の営業外損失を計上すると発表。
アメリカで携帯通信事業を営む子会社スプリントの合併により、営業利益期初にさかのぼって取り消すルールに則った影響も受けました。

孫氏の予測では、ソフトバンク・ビジョン・ファンドの投資先88社のうち15社は破産するとのことで、出資者を募る予定だった2号ファンドの組成も難しくなりました。

このように困難な状況にある同社ですが、孫氏は個人的に医療機関向けに抗体検査キットを無償提供するほか、グループとしても主に医療機関向けにマスクやフェイスシールド、防護服などを無利益で供給する準備を進めているといいます。

そんな孫氏の名言を改めてご紹介します。

「お金じゃない、地位や名誉でもない、ばあちゃんがやっていたような、人に喜んでもらえることに、貢献できたら幸せだ。どこか、名前も知らない、小さな女の子に“ありがとう”と言ってもらえるような、そんな仕事がしたい」(孫 正義)

「私の事業で、たとえば世界のどこかの小さな女の子がにっこり微笑む。そんな一瞬のために業界ナンバー1になりたい」(孫 正義)

「まずはじめに、どこで世界一になるのかの方向性を定めなければいけません」(孫 正義)

「私がこき下ろされるのは構わない。笑われてもいい。ただ、日本の将来が笑われない様にしなければ」(孫 正義)

「親父がつけた名前は、正義。一生、この名前と付き合ってきていると、やっぱり、自分の人生のテーマとして曲がったことはできません」(孫 正義)

【第2位】[+1]世界長者番付47位:滝崎 武光/174億ドル(キーエンス)

2017年~2019年までずっと3位をキープしてきた株式会社キーエンスの創業者であり取締役名誉会長の滝崎氏が2020年も3位にランクイン。総資産は、新型コロナウイルス感染拡大の影響をものともせず、163億ドルから174億ドルへと11億ドルの増加。

同社の業績は、2020年3月期(前期)の連結決算で純利益12%減、売上高6%減、営業利益は13%減と芳しくありません。国内外での販売減や、海外で米中貿易摩擦、新型コロナウイルスの感染拡大の影響による設備投資の減速のためとみられます。

一般的な製造業の粗利が20~30%といわれるなか、同社の粗利は80%を超えるといいます。「30代以上の平均年収がもっとも高い会社」といわれるキーエンス。平均年収は2,000万円を超える同社では、営業に力を入れており、採用においては学歴不問で、新卒採用面接では過去の採用データベースから自社の適性に合う人材を選んでいるといい、質疑応答形式ではなく、相手を説得する力が直接試されるとのこと。

また、大学新1年生へ返済不要の奨学金を給付している公益財団法人キーエンス財団では、2020年より新たに、「がんばれ!日本の大学生 応援給付金」として、新2、3、4年生を支援対象とした応援給付金事業をスタートしました。

滝崎氏の名言を改めてご紹介します。

「顧客の欲しいというモノは創らない」(滝崎 武光)

「人件費は経費ではなく、付加価値創造の要素である」(滝崎 武光))

「会社に思い出は不要」(滝崎 武光)

【第1位】[±0]世界長者番付41位:柳井 正/197億ドル(ファーストリテイリング)

画像引用先:https://kigyotv.jp/news/yanai/

2017年、2018年と2位をキープし、2019年に1位の座に輝いた株式会社ファーストリテイリングの代表取締役会長兼社長である柳井氏が2020年も1位をキープしました。総資産は、222億ドルから197億ドルと、25億ドルの減少です。

ユニクロ事業では、新型コロナウイルス感染拡大による自粛の影響で臨時休業や時間短縮営業を行ったことが響き、2020年4月の店舗売上は前年同月比56.5%減、客数は同60.6%減となりました。

2020年2月に71歳を迎えた柳井氏には、後継者の指名も現実的な問題として迫ってきています。2019年6月に国内ユニクロ事業の最高経営責任者(CEO)に任命された当時40歳の赤井田真希氏や、2018年11月に取締役に昇格した2人の息子などが有力視されています。

そんな柳井氏の名言を再掲します。

「経営とは、一番最後から本を読むようなもの。まずは結論ありきで、最終的に何を求めて経営していくかを決め、結論に至る方法を考えられる限り考え、いいと思う順から実行する。」(柳井 正)

「新しいことをやってダメだと思ったら、即座に撤退する。これが、つぶれない秘訣ですね」(柳井 正)

「海外はこういう方法ということではなく、グローバルワン、世界中で一つのことをやることが大事」(柳井 正)