新規顧客の開拓手段として、見込み顧客を育成することで効率よく受注につなげる「リードナーチャリング」に注目が集まっている現在。中小企業でもマーケティングオートメーション(以下、MA)の導入が必要とされてきています。
今回は、企業が保有する約18万件(2020年3月末時点)のWebサイトを対象に調査された「MAツールの導入数ランキング」をご紹介します。MAの導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。
1.MA導入数ランキング(2020年4月)
ここ数年で急激に導入が進んでいるMAツールですが、すでに導入している企業は、どんなMAツールを採用しているのでしょうか?
この記事では、株式会社DataSignが発表した「DataSign Webサービス調査レポート」2020年4月版より、MAツール導入数の最新ランキングをご紹介します。 調査対象は、国内約18万件(2020年3月末時点)の組織URLで、クローリングによる各種Webサービスの検出結果がまとめられています。そのなかで「マーケティングオートメーション」部門のツール検出数ランキングは以下の通りです。
マーケティングオートメーションツール導入数ランキング上位5位
調査期間:2020年4月24日 〜 4月28日
検出された総MAツール数:35ベンダー
1位:Pardot(パードット)
【シェア22.09%】
Pardotは、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客関係管理)で世界シェアトップを誇る米セールスフォース社が提供するクラウド型のMAツール。セールスフォース社の営業支援ツールである「Sales Cloud」やSNS、広告出稿などと連携し、見込み顧客の創出から育成、営業支援までシームレスに運用できることが特徴です。
2位:BowNow(バウナウ)
【シェア14.62%】
「BowNow」は、当サイトを運営するMtame株式会社が提供するMAツール。本調査の上位3位のなかで唯一の国産MAツールです。
「BowNow」は、日本国内でMAの需要は増えているものの、外資系の高価で多機能なツールは「使いこなせない」というユーザーの声から、シンプルな機能とわかりやすさを重視して開発されました。無料プランからのスタートができ、日本語による有人サポートも充実しているため、MAに初めて取り組む中堅・中小の企業も導入しやすいのが特徴です。
3位:Marketo(マルケト)
【シェア12.40%】
Marketoは、米マルケト社が提供するMAツールです。世界39カ国でBtoB、BtoCを問わず6,000社の導入実績を持ちます。顧客とのエンゲージメント(つながりの強さ)を重視して開発されたツールで、MAやメール、ソーシャルなど9つの機能を必要に応じて使い分け、リードを育成することができます。
4位:List Finder(リストファインダー)
【シェア9.26%】
https://promote.list-finder.jp/
List Finderは「ITトレンド」「Bizトレンド」など、法人向けの比較・資料請求サイトを運営する株式会社イノベーションが提供するMAツールです。「有望商談を発掘する」をキャッチコピーに、顧客情報の集約・整理を起点とした各種機能を備えています。BtoB業界での導入率が高く、国内で1,600アカウント以上の実績を持ちます。
5位:HubSpot(ハブスポット)
【シェア7.66%】
米HubSpot社が提供するMAツール。世界120ヵ国、78,700社以上に導入されています。同社は「インバウンドマーケティング」の概念を提唱した企業であり、ランディングページを作成するためのCMSや分析機能など、Webサイト経由のリード創出機能に比重が置かれています。
画像・データ引用元:「DataSign Webサービス調査レポート 2020.4」
上記調査結果を見ると、上位5社のツールで全体の約65%のシェアを占めており、日本国内における現在の主要なMAツールが何であるかがわかります。
ランキングの結果は、海外発のツールがやや優勢ですが、各社のシェア率(とくに2位~4位)にそれほど大きな差はなく、日本市場におけるMAツールの選択状況は、各社がまだ試行錯誤の段階といえそうです。
上位にランクインする外資系ツールの特徴としては、SFAやCRMなど複数のツールを組み合わせて、パッケージ型のサービスを提供しているものが多くあります。これらの統合型ツールのメリットは、営業支援や顧客管理、広告出稿など、幅広いマーケティング活動に連携できることですが、機能が多彩な分、使いこなすことが難しいというデメリットもあります。
これに対し、国内ベンダーが提供するMAツールは、日本企業の実情に合わせた機能や手厚いサポートを提供し、差別化を図っています。
2.まとめ
日本市場でマーケティングオートメーションが本格的に導入されはじめたのは2014年頃から。
現段階では、マーケティング技術が先行する海外製ツールが上位を占めていますが、日本企業のニーズにあった国産ツールも、徐々に存在感を表してきています。
マーケティング施策がますます重視されるこれからの時代。
さまざまなツールをしっかり比較し、自社に本当にあったツールを選びましょう。